会いたい。
寒いと羽織ったガーディガンすら凍るように寒い夜。
毎日のように口から零れ出しそうな言葉を今日も飲み込む。
いつからだろう。
人前で泣くのが嫌いなはずの僕が、家の中でしか泣くのを我慢できなくなったのは。
だからいつからか僕は、できるだけ涙の出そうな場面に出くわさないように引きこもってきた。
楽しそうに仲間が集まる場も、抑えきれず泣いてしまう曲が流れる場所も。
行かないようにしてきた。
引きこもっている場所が安全圏だと思っていた。
そこにいれば自由にできると思っていた。
そうじゃなかったと気が付いた時に。
僕は君に会いに行った。
腕に触れた手の感触を覚えてる。
一緒に食べたもの。一緒に歩いた道。
絶対聞いてなかったであろう気の無い返事。
ハグした時に君のダウンジャケットが出したシャカシャカとした音。
持っててくれたプレゼント。
どう考えても食べ過ぎのスイーツ。
夜遅い喫茶店の珈琲。
考える時に左に視線が視線が行く癖。
君が好きだと行ったお菓子。
褒めたって返ってくるのはちょっとひねくれた返事。
ありがとうを言いに行ったのにのっけから僕は泣いてしまったんだ。
でも、ちゃんと聞いてくれた。
あれからずっと、どれもこれも忘れないようにと一生懸命忘れないようにと思い出すんだ。
それでも少しずつ取りこぼしていく。
どのくらい今まで話せたろう。
どのくらい一緒にいた時間があるのだろう。
短すぎて。
短すぎて。
こんなにも想っていても。
今すぐ飛んでいけないなんて。
魔法をかけるよ。
いつだって、君に会いに行けるように。
いつだって、飛んで行けるように。
次こそ言いたいんだ。
君が大好きだって。
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